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ぬるい氷

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ぬるくない氷

氷山の稜線に沿って二頭のペガサスが空を翔る
空気を掻く蹄の音は静謐な夜空に響く福音の音

極彩色に染まった魚の群れは長い尾をたなびかせ
オーロラの軌跡を生み

滑空のみで航行する鳥は音を立てずに色に馴染む
そして幾度か翻った後で光を纏い彼方の星々を目指した

何万年も前の大気を内包した氷が少しずつ溶け始め
ぴきぴきと音を立てながら時間を解放する

熊や海豹やその他多くの白い大地に住まう者たちは
今七色に輝き一同に天を仰ぐ

氷山の向こうに虹が架かると
荘厳な鐘の音が一斉に空気を染めた

ユニコーンを先頭とし
ケンタウルス
セイレーン
最後に純白の羊に率いられた馬車が七色の橋を行く



「・・・てるの?」

「ねえ聞いているの?」

「さっきから話しかけてるんだけれど」

女の子は少しだけ口を膨らませてグラスの底に残った最後のクリームソーダをストローで吸った

空気と水を同時に吸った時に聞こえる小さな音
それからバランスを失った氷がグラスの内壁に当たって乾いた音がした

”ちゃんと聞いていたさ”

僕はつぶやくように答えた
comments(0)|trackback(0)|書き物|2013-04-08_20:38|page top

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