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ぬるい氷

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リバー

小さい頃
水平線に沈んでいく太陽を見て
いつになったらあの溶け出したオレンジがここまでやってくるのだろうかと
どきどきしていた

くたびれたシャツとよれよれのスカートをまとって男の子に会いに行くと
「疲れているの?」と彼は言った
彼は私の中に何かを見ているけれど
それは私じゃない

海はいつになったら緑になるのかしらと私は言った
エメラルドグリーンの美しい海なら南の方にあると彼は言った

言葉を足そうとも思わないし引こうとも思わない
それで伝わらなければ同じ言語でも異なる言語で
時としてそれは外国語が理解できないことよりもはがゆくそして一層辛く感じる

私は海が好きだ
どんな季節の海だって好きだ
砂浜に寝転んで手を砂にうずめると
下に行くほど湿っていて
私は流木のようにうずくまる
彼方に何があるのか知っていてなお
私の知らない何かがあるのだと想像させるような魅力を海は持っている

貝殻の破片で指先を痛めてしまい
うっすらと血がにじんだ
指先から滴る血の一滴が
海の色を変える最後の一滴だと信じて指をつねってみたけれど
滴るほどの血液は得られなかった

バカヤローと大きな声で叫ぶ代わりに
口から出たのはアオリンゴーという言葉だった

青リンゴは青いまま
赤くなることはない
海もそうだって知っている

私はきっと何かに委ねたいんだと思う
答えの分かっていることでもその導き方が分からないことだってあるんだ
comments(0)|trackback(0)|書き物|2013-01-10_22:22|page top

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